お疲れ様です。たぬきです~
アメリカの著名投資家フィリップ・ファルコン氏が米証券取引委員会(SEC)から提訴されていた件で、和解が決まったようです。
ただし、ファルコン氏が支払う制裁金は、1800万ドル(約17億6000万円)と言われています。
フィリップ・ファルコン氏が創業したヘッジファンド、ハービンジャー・キャピタル・パートナーズは、2001年の創立、2007年のサブプライムショックに際しては、逆張り戦力が功を奏し、120%のプラスリターンを上げたと言われています。2008年時点の運用資金は200億ドルにも上り、フィリップ・ファルコン氏自身の年収も、2009年には8億2500万ドル(約667億円)と、業界でもトップテン入りしたほどでした。
わずか4年の間に、何があったのか…?
キーワードは「ライトスクエアード」でしょう。
ライトスクエアードとは、アメリカの通信会社で、衛星を利用した次世代の4Gワイヤレス通信ネットワークの提供を目指していました。
ファルコン氏は、なんと、主要ファンドの総運用資金の半分をこの会社へ傾注。成功すれば、歴史に残る大規模取引となると注目されましたが、ゴールドマンサックスや大手年金基金からは解約・償還を求められるなど、厳しい局面を迎えていました。
結局、ライトスクエアードはその後、軍事衛星への通信障害の可能性を指摘され、認可が下りず、米連邦破産法11条に基づく会社更生手続きの適用を申請。ハービンジャーの運用成績も2011年はマイナス47%を記録したそうです。
損失が確定する前からすでに、解約・償還が滞っており、2012年7月、ついに米証券取引委員会(SEC)はフィリップ・ファルコン氏の提訴に踏み切ります。その理由には、ファルコン氏の納税にファンド資産を流用した・空売りによる特定の債券の市場操作・特定の顧客を優遇し、一部顧客に対しては償還や解約にも応じなかった…などでした。
何が彼を一極投資に駆り立てたかは知る由もありませんが、ハーバード大出身の頭脳、ウォールストリートで成功した才能なくしても、そのリスクなど容易に想像できるでしょう。時にマーケットは、かくも人を惑わせてしまうのでしょうか?
それにしても、彼が失ったものはあまりにも大きいようです。
冒頭の罰金の他、ファルコン氏には、少なくとも5年間の証券業務への従事(自身のヘッジファンドの清算は除く)の禁止が課せられました。ファンドマネージャーにとっての5年とは、引退を意味するレベルかもしれません。
マーケットに愛されても、取り込まれないこと。
まあ、まずは、マーケットで成功すること自体が至難の業なんですけどね。。
