お疲れ様です。たぬきです~
大きな窓をあけて始まった2013年の日経平均。
2日連続で90円くらいずつ下がり、あわや昨年末の水準か?というところで踏みとどまったのが、9日。昨日10日も続伸し、前日比+74.07円の10652.64円で引けました。
円安見通し、安倍政権による緩和路線といった背景もありますが、何より、「上がって欲しい」という人々の願いの表れなのかもしれません。
さて、毎月10日の株式市場の終値は、マーケットの相関性といった理由以外にも、CX業界が注目する理由があります。
今更ですが、CXは、FXや株価指数先物と同様、"証拠金"取引です。
現株みたく総代金を支払って購入するのではなく、証拠金という、いわば担保のような資金を預け入れることによって、取引に参加できます。この証拠金は、必ずしも現金である必要はないのです。
例えば、株券、国債、社債。現金に代えてこれらを預けることで取引に参加することは、株式取引でも認められている制度で、「有価証券の充用」といった名称でご存知の方もあるかもしれません。充用にあたっては、その有価証券の価値を算定する必要があります。その計算に使われるのが、「原則として、算出基準日である毎月10日(休日の場合は、順次繰り上げ)の時価(基準日の終値)」なのです。つまり、10日の終値が先月より高くなった場合、預け入れ資金を増やしたのと同じ効果が得られることになります。
勿論、注意すべき点もあります。終値がそのまま評価額とされるのではなく、2~3割程度割り引かれます。また、充用価格は毎月定期的に見直されるほか、株価急変時には臨時の変更も行われます。評価額が減じられた場合、値洗いはそのままでも証拠金が不足してしまうこともあります。
なお、「SPANをベースとした証拠金制度」では、本来、評価損の穴埋めは現金で行わねばなりませんが、本制度導入時からの暫定措置として、ブローカーとの特約締結により充用有価証券を現金不足に充てることも認められています。
折角なので、CXならではのお話も。「倉荷証券」という有価証券をご存知でしょうか?
"倉"庫に"荷"物があることを証するもので、TOCOMの金の「現受渡し(物の売買による決済)」時にも、金塊を持ち寄るのではなく、この倉荷証券で行います。受け手は、倉荷証券を倉庫業者に示し必要な手続きを踏むことで、初めて金塊を手にすることが出来ます。
倉荷証券も、時価の7割掛け評価での充用が認められていますから、金を「現受け」し、その倉荷証券を証拠金に金の先物取引をなさる方も少なくありません。売りポジションであれば、買戻しにより差金決済する代わりに、倉荷証券を買い手に渡す「現渡し」で取引を終了することもできます。
株や金を保有している方、これから長期での保有をお考えの方にとっては、資産を有効活用し、かつ、取引の幅を広げる悪くない方法ではないでしょうか?
