CMEが巻き返し図る?排出権取引市場

こんにちは、たぬきです~

CMEが排出権取引のGreenX(グリーンエクスチェンジ)の親会社、グリーンXホールディングスを買収したそうです。

排出権取引…日本国内では未だ上場されていないので、トレーダーの方にも馴染みが薄いかもしれませんね。
何を排出する権利かというと、経済活動に伴い生成されるCO2や、SOX、NOXといった、地球温暖化効果があると言われる気体にかかるものです。地球環境保護の観点から、今や排出量は、定められた上限までに抑えることが求められており、違反には罰則が設けられているケースもあります。
といっても、必ずしもいつも規定内に抑えられるとは限らない。そこで、超えてしまう人は、余った人から買い取ることで、超過した分を相殺させることが認められています。枠が余る人とは、排出削減努力をした人のほか、発生を抑制するプロジェクトを興したことで、新たな排出権を得た人などがあります。
決済方法は、実際に代金と排出枠をやり取りするほか、差金決済によって取引を終了させることも認められています。まさに、先物市場と同様です。

といっても、気体の量や権利を、どのようにやり取りするのでしょうか?
取引される排出権を大別すると、もともと割り当てられた枠の余りと、削減が認められ、増設された分とにわけられます。
前者は、もともとの枠の設定がなされていなければ参加できませんが、全ての国、地域で統一されたルールや割り当てを持っているわけではありません。よって、EU域内、ロサンゼルス、といった具合に、ルールを共有する共同体ごとに、独自に取引が展開されることになります。例えば、ユーロ圏の排出量取引制度であるEU-ETSでは、独自の単位であるEUAで排出枠を定めて、取引が行われています。
後者は誰にでも得るチャンスがあります。クリーン開発メカニズム事業(CDM)ならばCER、先進国と開発途上国との共同実施事業ならばERUと呼ばれる、余剰排出枠が発行されます。枠との取引、例えば、EU-ETSで排出枠の購入を行うのであれば、あたかも海外旅行に行くときに両替するかのように、EUAに転換して使用することになります。
GreenXの商品ラインナップだけを見ても、ユーロ圏のスキームに基づくEUA取引、CDMによるCER取引、カリフォルニアのスキームに基づく取引…など、様々に展開されています。

このような排出権取引の中心は欧州で、取り掛かりも早く、2005年には市場が開設されています。順調に取引を伸ばし、市場規模は、今や1360億ドルを超える程です。

さて、CMEは今回、グリーンXホールディングスの株式を100%取得したわけですが、GreenXは、元はNYMEXが投資銀行らと協同して立ち上げた取引所です。NYMEXはその後CMEに買収されましたので、GreenXでの取引は従前からCMEのシステムを共同利用する形で行われていました。今、敢えて買収したのはなぜなのか…
期待を込めて想像するなら、CMEは排出権取引を主力商品の一つとして、欧州のそれにも劣らぬ市場に育て上げようという思いがある、というのはいかがでしょうか?NYMEXで取引が盛んなオイルや天然ガスといった化石燃料は、燃焼により温室効果ガスを発生させます。化石燃料の代替燃料を探す動きは世界的に強まっており、近い将来、代替燃料の調達コストと、化石燃料の調達コスト+排出権獲得コストとを比べて燃料を選ぶ時代が来るかもしれません。そんな時、CMEが排出権インデックスという形で、個別の共同体ごとに散在する排出権価格の変動を平均化して提示してくれたら、便利ではありませんか?

夢は膨らむばかりですが、肝心の日本は…まずは市場を設立するところからですね。


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