ファンド詐欺から身を守る自助努力

こんにちは、たぬきです~

AIJ投資顧問の事件の続報が、連日ニュースを賑わせています。
「日本版マドフ事件」なる表現も見られますが…このマドフ事件、ご記憶にありますか?

バーナード・ローレンス・マドフ(Bernard Lawrence Madoff)氏…30年にわたり金融詐欺行為を続け、総額で330億ドルとも650億ドルとも言われる巨額の被害を引き起こした人物。詐欺・資金洗浄などの罪で禁固150年の判決を受け、服役中です。
元NASDAQ会長という肩書きも手伝って、ユダヤ系富裕層の間で絶対的なステイタスを築いていたことが、事件の発覚を遅らせ、被害を拡大させたといいます。
手法は、新たに顧客から集めた資金を配当や償還に充てて損失を隠すという古典的なもの。払戻しのための現金の手当てが出来ずに発覚するというのも定石通りでした。
70億ドルとも言われる払い戻し請求が起きたのは、リーマンショックにより顧客である金融機関が損失を抱えたためといわれます。マドフ氏も、ある意味リーマンショックの被害者なのかもしれません。

細かく見ていくと、たしかに、AIJの事件は、このマドフ事件に相似している部分があります。
・高利回りなど虚偽の内容を謳い、顧客資金を不正に集めていた。
・大手監査法人による監査が行われていなかった。
・大手金融機関や基金が被害に遭っている。
3つ目だけ補足しますと、AIJの場合は、直接の顧客は、厚生年金基金が大半を占めるといいます。基金は、加入者である中小企業の従業員の年金を預かって運用します。基金へ預ける窓口の従業員にとっては、大半は他人の金。まして基金側は言わずもがなです。金融の知識が足りない担当者もあったかもしれません。

一方マドフ事件の方はというと、「フィーダーファンド(feeder funds)」が介在していたと伝えられています。フィーダーファンドとは、日本のファミリーファンド方式におけるベビーファンドに相当するもので、顧客から資金を集める、いわばフロントです。集めた資金は、丸々マザーファンドへ投資します。実質的に運用を行うのはマザーファンドです。フィーダーファンドにとってのマザーファンドに相当するのが「マスターファンド」で、マドフ氏の位置付けはこの、マスターファンドです。
よって、資金の出し手レベルでは、運用状況を監視しようにも、自分の資金を誰が運用しているのかさえわからなかったのではないかと思います。実際、事件後の顧客の訴訟の相手方は、フィーダーファンドレベルでしたし、そうせざるを得なかったのであろうと思います。

別の解釈をしてみましょう。フィーダーファンドの収益は手数料ですから、顧客にファンドを購入してもらいわけで、そのためには、売れやすい運用成績の良いファンドが欲しいわけです。仮に、フィーダーファンド側がマドフ氏の行為に気づいていたとしても告発したでしょうか?穿った見方になりますが、見て見ぬふりをして詐欺行為を助長しておき、破綻したら被害者の顔をするのが、フィーダーファンドにとっては一番有利なわけです。

資金の拠出者と運用者の間に第3者が介在することによって、監視体制が甘くなる。トレードの現場はミリ秒を争い、日々進化を続けているというのに、ファンド詐欺の手口というのは、未だ古典が通用するようですね。

ただ、マドフ事件にせよ、AIJ事件にせよ、かなり悪質で特異な例であるはずです。
善良な金融機関、トレーダーにまで規制が強化されば、いたずらにマーケットを収縮させるだけでしょう。
そのためにも、我々は金融行政に依存するのではなく、自らの力で危険を回避する道を探らねばなりません。自分の目の届かない範囲への資金預託は止めるのも一つの手でしょう。

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