今日もトレードお疲れ様です。たぬきです~
4月にお伝えし損ねてしまっていたのですが、CMEグループからCMEヨーロッパを閉鎖する方向である旨、お知らせが出ておりました。
その時は、閉鎖時期は2017年末とされていたのですが、今月になって、終了時期を今年の8月末に前倒しする旨告知がありました。
もちろんこの日以降売買は行われませんので、建玉を保有している投資家は、8月末までの決済が求められています。
アクティブマンスが期近、ルール上は90日以上前の告知とはいえ、投資家にとってはなかなかに性急な話です。
さて、その背景ですが、CMEヨーロッパの拠点はロンドンとはいえ、投資銀行やヘッジファンドらのシティ脱出とは話が異なるようです。ブレグジットなら、当初予定を繰り上げる必要はありませんものね。
CMEグループのアナウンスでは、「ヨーロッパの投資家も、インフラ(市場・クリアリング)はアメリカのものを利用する傾向がある」といった表現をしてはいましたが、ありていに言えば、人気がなく収支が悪いので見切りをつけた、ということのようです。
確かに、約定は市場外やブロック取引ばかりで電子取引は振るってはいませんでした。とはいえ、取引が始まったのは、まだ2014年の4月のこと。
1992年にGlobexを立ち上げて以来、倍々に取引量を伸ばし、わずか20年強で今日の栄光を築いたCMEにおいては、新規のプロジェクトであっても、すぐに結果を出すことが求められるのですね。
まあ、TOCOMを例にとってみれば、先日発表された2017年3月期の連結決算が10億9900万円の赤字。うち、4億3400万円分の旧システムの償却費用の前倒し計上を除いて6億6500万円の赤字。前の期が4億8900万円の赤字でしたので、3年このペースが続けば、赤字はざっくり15億円に達するわけです。
生き馬の目を抜くようなマーケットの世界では、3年というのは、十分に長い期間なのかもしれません。
少々珍しいことかもしれませんが、取引所が合併等ではなくクローズすることによって、投資家が決済を迫られるケースとして、ご記憶に留めていただければと思います。
