今日もトレードお疲れ様です。たぬきです~
先日のことですが、朝9:00頃、お客様からお電話をいただきました。
「出したい指値を出すと、DCBを発動させてしまいそうなんだ…」
もう少しお話を伺うと、それは原油の2本目で、寄板合わせが不調に終わった限月でした。
「問題ありません、是非出してください。」
というのが、その時の答えですが、どんな状況であったか、想像つきますか?
ヒントは、時間と寄板合わせの下りです。
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その日は、朝から為替が動き換算価格が急変、先物は、夜間立会の終値から大きくかい離してスタートしていました。
2本目も、本来であれば先物同様、窓空きでスタートし、先物と2本目の価格差は、前夜と同じような状態になっているはず。
例えば、夜間の終値が、2本目:31,000円、先物:39,000円だったとして、先物の日中始値が40,000円なら、2本目は32,000円あたりが妥当な価格でしょう。
ところが、寄板合わせが不調に終わったため、2本目は、夜間の終値31,000円を直近値としたまま、ザラバに突入しています。
あるべき値位置の32,000円は、もはや400円のDCB幅外です。
しかしながら、32,000円の指値は、市場原理に叶った注文と言えます。
DCBの適用のない寄板合わせで跳ねた分をザラバ中に埋めるので、DCB発動は仕方のないこと。そうしなければ鞘が壊れたままです。
そこで、お客様には、問題ありません、とお答えさせていただいた次第です。
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いかがでしたか?寄板合わせの特例やDCBの発動の仕組みをおさらいする上で、なかなかよい例ではないかと思います。
と、もう一つ称えたいのは、お客様のご配慮です。
DCBは突然の価格変動に警告を与えるものですが、他方、個人で市場機能を妨害することもできてしまう面もあります。
自分が勝ち残ることを何より優先しがちな世界で、市場全体に思いを馳せ、禁止行為ではないが、みだりに行うべきものではないからと一言ご相談くださったお気持ちが、何よりありがたかったです。
なお、DCBの発動に悪意の有無は関係ありません。限月を間違えて出した値位置の違う指値や、タイプミスで意図せぬ事態を招かぬよう、皆さま、どうぞお気をつけください。
