お疲れ様です。たぬきです~
唐突ですが、こんな言葉をご存知ですか?
「ヒンデンブルグ・オーメン」
直訳すれば、「ヒンデンブルグの前兆」。ヒンデンブルグとは、ドイツの硬式飛行船ヒンデンベルグ号に由来します。
硬式飛行船は1900年に製造されて以降、移動速度こそ飛行機に劣るものの、その貨物輸送能力や雄大なルックスを買われ、軍需利用から国家権力のシンボル的存在としてまで、広く用いられていました。しかし、硬式飛行船は、突如、世界の表舞台から姿を消します。そのきっかけとなったのが、36名もの犠牲者を出したヒンデンベルグ号の爆発炎上事故であると言われています。
つまり、「ヒンデンブルグ・オーメン」とは、「時代の潮流を変えるような大事件の前兆」を意味しているといえるでしょう。
さて、この言葉。実は、とあるテクニカル指標の名称です。
移動平均などとは異なり全貌は明らかではなく、発生条件は、その筋のファンドが「出現を確認した!」と言った際のマーケットの状況から逆算することになります。諸説ありますが、概ねこのようになるらしいです。
1)ニューヨーク証券取引所(NYSE)でのその日の値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の合計の2.8%以上が、52週高値(安値)を更新している。
2)かつ52週"高値"を更新した銘柄数が52週"安値"更新銘柄の2倍以内
3)NYSEインデックスの値が50営業日前の値より上。
4)McClellan Oscillatorの値がマイナス。
McClellan Oscillatorも耳慣れない言葉ですが、19日間と、39日間それぞれの始値と高値の差の指数移動平均を算出し、両者の差を利用した短期指標の一つだとか。
そして、発生後のシナリオは、
・77%の確率で株価が5%以上下落。
・41%の確率でパニック売りが発生。
・24%の確率で株式市場に重大なクラッシュが起こる。
有効期限は30営業日。ただし、McClellan Oscillatorがプラスに転じたら30営業日を待たず終了、というのが、ルールのようです。
こんな、禍々しささえ感じさせるシグナルが、今月15日に出現したそうなのです!
30営業日というと、5月24日の金曜日まで。この間に、株価の大暴落が起きるとか起きないとか。
ちなみに、前回出現したリーマンショック後の2010年8月には、起きませんでした。ただ、これは、バーナンキFRB議長がQE2を打ち出し、市場に急速に安堵感が広まったためと説明されています。
転じて今回。
株価を叩き落すミサイルは、擬似的にも、本物も発射台に載っているようですが、逆の力は期待できないようです。
折りしも5月。連休入りする日本勢の不在を他所に、例年マーケットは荒れやすい傾向にあります。そういえば…ヒンデンベルグ号の事故は1937年の5月6日。これは何かの符合なのでしょうか?
