日本でコモディティのヘッジファンドが誕生したというニュースがBloombergより出ています。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MDRNDY6K50ZD01.html
記事によると元メリルリンチ日本証券の林田さんが「エレメンツキャピタル」というヘッジファンドを立ち上げ、先物価格のカーブを利用した戦略で運用していき、運用資産10億円を集め、年20%の利回りを目指した運用を行なっていくとのことです。
さて、この先物価格のカーブとはいわゆる限月間スプレッドの価格差のことで、つまり限月間スプレッド取引を行なっていくということになります。
限月間スプレッドの構成要因は、金利、在庫コスト、調達コスト等が挙げられます。
現物価格をもとにこれらの要因を加えたものが、限月間における価格差となります。
しかしながら、スプレッド価格に関しては、銘柄によってこれ以外に大きな要因として現物の需給関係があります。
例えば、季節性としてガソリンでは、夏場のレジャーシーズンになると現物市場への需要が急増しますが、供給としての生産を一時的に急増させることは非効率的な生産体制となってしまうことから徐々に低需要期において、在庫を積みましていく生産体制をとっているため、スポット価格が上昇しやすい傾向があります。
そのため、特定の限月付近が価格上昇し、先物カーブが大きく変化する可能性があります。
これ以外にも灯油の冬場需要、大豆のハーベストプレッシャー等の季節性要因があります。
また、市場環境の変化等イベントドリブンよっても大きな変化が現れる可能性があります。
通常に価格の上下に対してトレードするだけでなく、このように先物カーブに対してトレードをする方法も戦略としては面白いかもしれませんね。
