トービン税とHFT(High Frequency Trading :高頻度売買)

お疲れ様です。たぬきです~

明日から11月。始まって早々にFOMC、3、4日にはG20、また、アメリカの雇用統計と、
イベントが盛りだくさんです。

さて、そのG20カンヌサミットで議論されるであろう話題の一つに「トービン税」
なるものがあります。
本来の定義「投機目的の短期的な通貨取引を抑制するために課税する制度」より、
もう少し包括的に「金融取引について最低税率を設定する」という内容のようです。

この「トービン税」ですが、今に始まった議論ではありません。もとは、ノーベル
経済学賞受賞者であるジェームズ・トービン博士が1972年に提唱したアイデアです。
税率は微々たる物ですが、短期的に頻繁に繰り返すことで、負担が加速度的に重く
なります。つまり、HFT(High Frequency Trading :高頻度売買)などにとっては、
看過できない問題です。

今回の提案では、まずは範囲をEUに限定し、EUを皮切りに、全世界へと広まること
を期待したものです。税率は株式と債券が取引額に対して0.1%、デリバティブ
(金融派生商品)が0.01%。1箇所でもEU域内に拠点を置いている金融機関は全て
課税対象となります。
税収年間約570億ユーロ(約6兆円)が見込まれるそうで、一部はEUへ、残りは各国
へ配分される予定。財源確保が狙いの一つであることは言うまでもありません。
2014年の導入を目標としており、ロンドンに世界の金融センター「シティー」を
抱えるイギリスこそなかなか首を縦に振りませんが、ドイツ、フランスをはじめと
するEU諸国では支持の輪が広がりつつあります。

しかし、このトービン税。提唱から30年以上を経て未だ実現していないのは、
提唱者本人も認める、導入に当たっての難しい問題を抱えているからに他なりません。

というのは、導入する国(課税される国)と導入しない国(課税されない国)とが
出来てしまうと、意味がないからです。一部に導入されない国が出来れば、資金が
一気に課税されない地域へと流れ、そこに新たな金融センターが形成されるであろう
ことは明らかです。

反対を表明している国の多くは、このような経済的歪みが生じる懸念を挙げ、また、
銀行取引への課税は、結局のところ顧客の負担へ転嫁され、流動性が低下するばかり
で期待するような効果は得られない、としています。

EU域外でも、すでに何らかの課税システムを導入している国(韓国・ブラジル・
インドetc)にとって受け入れはさほど問題ではないかもしれませんが、米国・
オーストラリア・中国、そして日本も強硬に反対しています。

EUだけが先行して導入して、何の得になるのか?
今焦ったところで、単に金融機関の顧客の欧州離れを招くだけの結果が目に浮かびます。
この調子ならば、実現はまだまだ先。HFTの脅威となる心配は、当分はなさそうです。

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