SPAN®証拠金導入へ
2010 / 11 / 25 ( Thu )
皆様お元気ですか。
既にご存知の方も多いものと思われますが、平成23年1月、商品先物・オプション取引においてSPAN®証拠金制度が導入される予定となっております。
SPAN®は、Standard Portfolio Analysis of Riskの略で、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)など世界の主要取引所が採用する証拠金システムです。
導入の利点は、リスク相殺の考え方にあります。
これまでは、仮に同一商品の同一限月内に売り5枚・買い12枚を建玉した場合、17枚分の証拠金が必要でしたが、新証拠金制度では、売り・買いともに5枚分が相殺されて買い7枚のネット・ポジションとカウントされ、証拠金額が減額されます。
同一商品の同一限月だけではなく、同一商品の異なる限月間のポジションのリスク、価格変動に相関性のある商品間のリスク、先物とオプションのリスクも対象となります。
ただ、あくまでもリスクが相殺される限り証拠金が減額されるのであって、その後の取引状況によっては証拠金額が増大する場合もありますので注意が必要です。詳しくは、株式会社日本商品清算機構(JCCH)や取引所のホームページをご参照ください。
さて、今回の導入で恩恵を受けるのは、なんといってもスプレッド・ディーラー(のみ?)でしょう。
新規・仕切ともに売り・買い同時執行のできるSCO注文を活用することで、資金効率が飛躍的に高まります。
これまで安定的に収益を上げてきたスプレッド・ディーラーにとって、仮に独立を考えた場合、障害となっていたのが、売買端末と取引に必要となる資金でした。なんといっても通常アウトライト取引の倍額が必要だったのですから(しかも決済までの売買サイクルが比較的長期となります)。
売買端末は、「X_TRADER」として「Net Trade Pro」ですでに提供させていただいております。SCOを主とする「待ち」の手法においては機能、スピードともに充分だと思われます。
そして今回の新証拠金制度。資金効率についてここでは記載しませんが、興味のある方はJCCHホームページ内の「SPAN®をベースとした新証拠金制度について」をご覧下さい。特に東京金における資金効率の向上は(あくまで試算値ではありますが)かなり大きいものになると思います。
厳しい市場環境が続いておりますが、「Net Trade Pro」サービスを新たにご希望されるお客様はいらっしゃいます。現在お取引いただいている方の中には、資金的に余裕のある既に成功された方はもちろん、独立による収入増と心理的不安を天びんにかけ敢えて独立を選ばれたトレーダーの方もいらっしゃいます。
「Net Trade Pro」をお選びいただいた「戦う」プロ・トレーダーの方のためにもこれまで以上に利便性の追求に努めてまいりたいと考えております。
今回は少し長くなりました。
北朝鮮による韓国砲撃以来、地震であっても「ついにきたか」と身構えてしまいますね~。